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　　２０１４年９月のごあいさつ

拝啓　暦の上では、ようやく初秋の候となりましたが　皆様にはいかがお過ごしでしょうか

今年の８月は、６９年目の祈りの終戦記念日　そして自然災害で多くの犠牲者も出ました

世界でも絶え間なく続く戦争、エボラ出血熱の感染、拡大、日本人も関わっている代理出産の倫理的な事件など、相次いで起こりました。いずれも原因は人間の欲望などによる行為によるもので、地球と人類の未来に大きな不安と恐れを覚えずにはいられません。

そのような時、私が大変興味を持ったことがあります。それは「昭和」の元号を考案した人が

吉田学軒（１８６６〜１９４１）という福岡県みやこ町出身の漢学者であったこと、また森鴎外が昭和の元号に大きく関わっていたことです。

調べてみますと、鴎外は大正６年に宮内省図書寮のトップである図書頭に就任して「帝論考」（天皇のおとなりの考証）を進め、更に「元号考」の探求を始めていたそうです。

その下で編修官に就いたのが、学軒で鴎外の信任が非常に厚かったということです。

鴎外の没後、元号研究は学軒に引き継がれ、大正天皇崩御により、宮内大臣から新しい元号を創案するよう命じられました。

「昭和」は、中国最古の経典「書経」の一文「百姓　昭明・共和万邦」から「昭」と「和」の二字を取ったもので、国民の平穏な暮らしと世界各国の共存共栄を願う意味が込められていたそうです。

しかし残念ながら、その願いとは裏腹に日本は世界戦争の中に入っていきました。

また「平成」は内外・天地とも平和が達成されるとの意味だそうです。

中国で生まれた元号は、すでに中国、朝鮮ではなくなっているそうですが、日本は元号のもつ深遠な意味を大切にして、この文化伝統を守っていただきたいものです。

日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。天候不順の折、お体にはくれぐれもご自愛下さい。敬具

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　有限会社　ノビア　店主　河村伸一郎