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　　　　　　　　　　　　　　　三月のご挨拶

拝啓　新型コロナ「第六波」は先月ピークを迎えたようですが皆様にはお元気でお過ごしでしょうか　また平素は大変お世話になり心より感謝申し上げます

さて私が毎月のご挨拶文を書き始めて１５年になります　義叔母に清書を願っていましたが今年８９歳になり体力、気力の衰えを感じるようになりました　その為やむなく来月から筆を置くことにしました

最後となりますので義叔母のことを少し書かせていただきます　１９３３年１月１日生まれ名前は耀子（雅号、柏葉）１９４５年４月女学校に入って間もなく終戦を迎え男女共学の浮羽高等学校に再入学しました

当時は都会からの疎開者や外地から帰国したさまざまな人達がいて田舎育ちの義叔母は多くの大きなカルチャーショックを受けたそうです

同級生には個性的な人が多くその一人に脚本家の故布施博一氏（ドラマ「熱中時代」「純ちゃんの応援歌」など）もいらっしゃいました。一旦勤めた後、４年後に上京して大学で書道を学び後に書家の殿村藍田先生に師事しました

卒業後福岡に戻り心底にあった「男女平等」を実践できる私立高校に縁あって教師となりました　また精力的に日展、県展他への出展も行いカルチャースクールの指導など無我夢中で駆け抜けてきました

昨年の第７６回福岡県美術展示会では審査員を勤め更に会員の部では自作が思いがけず受賞し米寿の記念になったと皆で大変喜びました

義叔母が書を通して学んだことは「一見、上手くなく素朴であって尚且つそこに心の豊かさや美しさがあることこそ感慨深い」のではと・・・・

次の４月より義息子がご挨拶文を担当することになりました　これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。　春寒の折　お身体にはくれぐれもご自愛下さい　敬具　

　　　有限会社ノビア　店主　河村伸一郎